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後捕 三本目
両肘返 |
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Q:合気武道とはなんですか?
A:江戸期まで会津藩の「御式内」と呼ばれた殿中武術・大東流合気柔術の、最も大事な基本技を武田時宗師が纏め上げた武道が「大東流合気武道」です。「御式内」とは、大刀を持って入ることが許されない殿中(殿様の間)に於いて狼藉物を取り押さえるための武術のことです。
Q:合気道と合気武道は違うのですか?
A:大きく違います。合気道は植芝盛平翁が大東流合気柔術の教授代理となったのち、大東流から危険な技を取り除き、円の動きを加味させた武道です。合気武道は剣の動きを体に現した武道ですので、少ない挙動で相手を抑えてしまうのが特徴です。合気道は「天地自然と一体になること」をその目的としていますが、合気武道は相手をさっさと取り抑えてしまうことを目的としています。
Q:合気武道の特色を教えてください。
A:様々な攻撃法に対し、当身、投げ技、関節技を以て相手を締め抑える技法です。特に立ち技で相手を制してしまう立ち関節技が多彩であることが、現代武道とは一線を画するところでしょう。
Q:合気武道で護身術が身につくのですか?
A:武道や護身術を学ぶ上で、形稽古だけでは実際の危機的状況では使えません。松柳会ではプロテクターを装着しての実乱撃を行う中で、素手による打ち合い、掴まれた時の当身法、ナイフを持った相手への対処法などを練習しています。
Q:実際に撃ち合うのは怖いのですが…
A:松柳会では稽古を「形稽古の部」と「柔術拳法(実乱撃)の部」の2部制に分けています。どちらかお好きな方にだけのご参加でも全然構いません。 |
合気武道松柳会は、大東流合気武道と日本拳法をベースとした武道です。
大東流合気武道は本来、剣術(一刀流)を平学することを義務付けています。それは、大東流が剣術の裏技的存在だということであり、刀を差した相手を前提としているため、当身技(打撃技)と当身に対する技は決して多くはありません。しかし、それでは現代格闘技のように洗練された打撃技に対応出来るのでしょうか?刀を腰に差して歩くことのできない現代に於いては当身技の習得は必須なのです。
一方、日本拳法とは昭和7年に澤山宗海宗家が発足した武道で、防具を着装し、殴る、蹴る、投げる、極めるといったあらゆる徒手での攻撃を認めた総合武道です。その実戦性の高さから自衛隊徒手格闘技や警察の逮捕術に組み込まれています。
当会では大東流合気武道の古武道の技に、日本拳法の当身技術と練習方法と取り入れて「合気武道松柳会」として発足いたしました。
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よく大東流では、初心者が学ぶ技を「柔術」と呼び、そのさらに上の段階を「合気柔術」と呼ぶと言いますが、何が違うのでしょうか?
それは術者が掴んで投げるのが「柔術」で、相手に掴ませたものを掴まずに投げるのが「合気柔術」です。
掴ませた相手を摩訶不思議な「合気」で自由を奪ってしまう合気柔術の技術は見事と言う他はありませんが、ナイフ持って暴れ狂う暴漢がいたとしたら、「おい、ちょっと手首を掴んでみろ」と言うのでしょうか?
合気柔術の修行者は合気を追求するあまり、当身や極め抑える練習をしているところを見たことがありません。それで本当に武術と呼べるのでしょうか?
あるYouTube映像で、総合格闘家と合気の達人が試合をして、棒立ちで両手を上げる合気の達人が総合格闘家に一方的に殴られて惨敗したものがありますが、あれが現実です
一方、「柔術」はただ掴むのではなく、骨の掴み方を稽古しています。たとえ相手が衣服を着ていなくても骨を掴むことが出来るようになったら逃がすことなく抑えることが出来るのです。
そして、この骨の掴みが出来なければ、別伝で教授する活法(整体術・整復法)は決して出来ません。「合気」のように掴ませることばかりをやっていたら活法は決して出来ないのです。
なので合気武道松柳会は掴むことを稽古する「柔術」を主軸としています。
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